反対側の普天間第二小学校に回ってみた。校庭で遊ぶ子供たちの上をC-130の巨大な影が舐めるように走って行く。近くの10階建てマンションの上階からカメラを構えた。また、C-130がエンジンを絞り上げてこちらに向かって舞い上がって来る。上昇する機体のプロペラの風圧で民家の物干しの洗濯物がひらひらと泳ぐ。ファインダーいっぱいに迫って来る機体。続いて戦闘機が離陸した。キーンという耳をつんざく金属音が聞こえ、その後に続く轟音が鼓膜を叩く。近くに雷が落ちたような感覚だ。
「雨で視界が悪い日は米軍機が落ちてこないか不安になる」
基地のフェンスに洗濯物や布団を日なた干ししている女性に声をかけた。
「毎日、うるさいでしょう?」
「慣れることはないさー。みんな耳がおかしくなっているよ」
と、布団をパタパタ叩きながら女性が言った。
小学校近くの鉄工所のおやじさんが気さくに話かけてきた。
「沖縄は軍用機の騒音で蓋をされたような島さ。昼も夜も夜中も遠慮なく飛んでいるさ。夜中にエンジンをふかされるのはきついね」
また、おやじさんはこんなことも言った。
「晴れた時はいいけど、雨で視界が悪い日には米軍機が落ちてこないか不安で空を見上げてしまうね」
事実、2004年には大型ヘリが宜野湾市の沖縄国際大学に墜落事故を起こしている。その時も日米地位協定の壁に阻まれて、地元は満足に捜査もできなかったとか。