さらに、ウクライナは近年戦地になったほかの国々よりもインターネットの普及率が高い。

 国連機関の国際電気通信連合(ITU)によれば、ウクライナでは国民の約75%がインターネットを利用している。

 人工衛星のカバーのおかげもあって、ロシア軍に容赦なく包囲された一部の都市以外では、インターネットへの接続がまだ安定している。

 一方、ロシアの爆撃機が2015年にバシャル・アサド大統領に代わってシリアの一部地域を攻撃し始めた時には、インターネットにつながっていたシリア国民の割合は30%だった。

 米国が撤退した時のアフガニスタンでは20%にも満たなかった。

SNSと通信技術の発展も一役

 SNSや通信技術の発展も一役買っている。この変化はウクライナ自体に見受けられる。

 ロシアが2014年に侵攻してきた時、ウクライナの携帯電話加入者で3G(第3世代)以上の高速ネットワークにアクセスしていた人の割合はわずか4%だった。

 調査会社ケピオスによれば、今年はその値が80%を超えている。

 また同社の推計によれば、2014年当時のウクライナではスマートフォンの普及率が14%にとどまっていたものの、業界団体GSMアソシエーションの推計では、その値も2020年までに70%を超えた。

 プーチン氏がウクライナに先日侵攻した時、世界全体のSNS利用者は46億人で、2014年当時の2倍以上になっていた。

 かつてはフォローしているSNSのコンテンツを日付順に視聴していたものだが、今日では最も興味を引きそうなアイテムをアルゴリズムが選んで提示してくる。

 さらに、2014年には動画の表示やライブ配信の処理能力に限界があったが、今では逆にそれらで混雑しており、ウクライナの国民はこの変化を最大限に活用している。

「今では誰もが、爆撃があるたびに動画で撮影して投稿している」

 広報のプロで、今はウクライナからの情報を収集・拡散させるボランティア活動のまとめ役を務めるマリア・ポポワ氏はこう語る。