(馬 克我:日本在住中国人ライター)
中国の最高指導者は、英語では「President(大統領)」である。しかし2018年、習近平が憲法を改定し、国家主席の任期制限を撤廃したことで、数年ごとの選挙で選ばれる米国やフランスなどの「大統領」と同じ類の人間ではなくなった。日本メディアもそれまでの「総書記」という呼称を変更し、彼は「国家主席」となった。
そして、戦争を起こしたロシアのプーチン大統領と同様、最大の権力を掌握している独裁者である。
彼らには似通った特徴、いや、欠点がある。日本人は長く民主制度のもとで生活しているため、独裁者を現実的に理解することは難しいだろう。ここで述べるのは、私のような一部の中国人の習近平という独裁者に対する見方である。
完全なる中国共産党第1世代の誕生
習近平は、1953年に北京の共産党幹部の家庭に生まれた。彼の父親は、中華人民共和国成立の貢献者であり、1949年の建国以後は高い地位に就いた。
いかなる点においても、私のような普通の中国人とはかけ離れているが、まったく彼のことを理解できないわけではない。