独裁者プーチンは世界の敵となった。世界各地で非難の声が上がっている(3月12日イスラエルのテルアビブで、写真:ロイター/アフロ)

 ロシアによるウクライナへの無謀な軍事侵略が止まりません。

 3月16日にはウクライナ最大の軍港都市「オデッサ」に向けて、黒海洋上からロシア軍の砲撃が確認(https://www.sankei.com/article/20220317-7PLMG7RJVRNDVCKK2MPPYF7Z7M/)されています。

 あくまで火力の差にものを言わせて、国土制圧に向けて前線を進めています。

 こうした蛮行を受けて、日本でもウクライナの首都キエフの呼び方を「キーウ」とウクライナ語に名称変更されるようです。

 さて、軍事の常識から考えて、こうしたな作戦がウクライナ側でも、また銃後を支えるはずのロシア側でも持つわけがないことは、JBpressが配信するエコノミスト記事(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69176)など、多くの国際報道が伝える通りです。

 この戦争は、仮に3日間で終わっていたら、ロシアの勝利があり得たでしょう。それを先例として秋には中国が台湾侵攻の見通しだった・・・と言った論説も、あちこちに噴出してきました。

 背景には2月5日、北京冬季五輪開催に合わせて設定された2年ぶりの中ロ首脳会談(https://www.bbc.com/japanese/60262771)での合意があったものとみられます。

 2月4日に始まった五輪が20日日曜日に終了、2月24日木曜に開始されたウクライナ武力攻撃は、プーチンの目算では週末から2月末までに「キエフ制圧、露軍勝利」で一方的終結宣言を出したかった。

 しかし、コメディアン出身で軽いと見られていたウォロディミル・ゼレンスキー大統領は亡命もせず、ウクライナ国内は「ベトナム戦争化」、住民が民兵軍団まで組織して抵抗するという、旧ソ連時代とは勝手が違う状況となってしまった。

 前回稿(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69294)にも記した通り、現在のクレムリンはプーチンとその取り巻きの命令が絶対的で、軍事のプロが合理的に検討、準備した作戦がとられているとは思われません。

 延々64キロに及ぶ軍事車両の列が丸見えだったり(https://www.bbc.com/japanese/60613307)、原発を攻撃して制圧してみたり(https://www.sankei.com/article/20220305-ZRVHBZ4BQVMWTNDTV3DRRGYWKQ/)、やってることがしっちゃかめっちゃかです。