国威発揚のためにスポーツを大事にするプーチン大統領。2014年のソチ五輪では、大会会場にトレーニングウェア姿で応援にかけつけ、選手を直接激励した。左はフィギュアスケートのプルシェンコ選手、中央はリプニツカヤ選手(写真:ITAR-TASS/アフロ)

 ロシア排除の動きはスポーツ界でも加速化している。ウクライナ侵攻で国際的な批判が高まるロシアと軍事面で協力関係にあるベラルーシ両国の北京パラリンピック大会出場について、IPC(国際パラリンピック委員会)は3月2日の時点では中立的な立場での個人出場を認めるとしていたが、国際世論からの猛烈な反発を浴びてこれを翌日に撤回。両国選手団の参加を一転して認めずに除外すると発表した。

 これにロシア側は「受け入れ難い暴挙」などと強い怒りの言葉で抵抗する姿勢を示していたものの、結局は従わざるを得ず、北京入りしていた選手団はモスクワへ帰国の途に就いた。

排除されたパラリンピックの代替大会をロシアが3月末に

 プロ・アマ問わず大半の世界的なスポーツ組織や団体がロシア、ベラルーシの締め出しで足並みを揃え始めている。それでもIPCは何が何でも北京パラリンピックの大会規模を縮小させたくない本心もあって、北京五輪からの流れのまま、両国の参加を適当な理由付けして容認させようと当初画策したが、どうやら世界に広がる反ロシアの情勢を完全に見誤っていたようだ。

 だがロシアとしては、西側諸国を中心とした国際スポーツ界から追放されかけている現状を前に、このまま指をくわえて黙っているわけにはいかないようである。