タリバンからカンダハル取材の許可

 通訳のイジュラールの機転でカンダハルでの取材許可証を得ることが出来た。

 カンダハルはアフガニスタン第2の都市であるが、それ以上にパシュトゥン人の都市であり、アフガニスタンにおけるタリバンの本拠地と言っていい。取材許可を出したのはもちろんタリバンだ。

 国境のゲートを越えアフガニスタンに入る。そこで待っていたタリバン兵士のトラックに乗り込んだ。荷台にはニコリともしない3人の兵士がいた。実はこの取材には条件が付けられた。「撮影禁止」だ。「自分の頭に目で見た光景を叩きこめ」ということらしい。

 イジュラールを介して若いタリバン兵士と話をした。その兵士の生まれはジェララバード。ソ連軍が侵攻して来て家を爆撃で破壊され、一家6人でカイバル峠に近い脇道を越え、ペシャワルの難民キャンプに入った。そしてマドラサに通いタリバン兵になったという。

「ソ連の次はアメリカがやって来た。だがアフガンでの運命は決まっている。いずれ地獄の炎で焼かれるのだ。それが豚喰い異教徒の運命さ」

 その兵士の遠くを見る目が印象的だった。

 麻薬についても話を聞いた。アフガニスタンの「黄金の三日月地帯」と呼ばれる地域は世界一の麻薬原料の生産地だ。そこで生産されるアヘンは軍閥の大きな資金源となる。