2年前に始めたこの連載は、今回で100回を迎えました。「アジアで起こっていることをコンパクトかつ的確に」をモットーに、引き続き書いていきますので、変わらぬご愛読を、よろしくお願いいたします。
「アメリカが始めた最長の戦争、屈辱のうちに閉幕」
急変するアフガニスタン情勢を巡って、中国の攻勢(口勢?)が続いている。
8月19日には、中国を代表する国際紙『環球時報』が、痛烈な記事を掲載した。最近よく行う「西側の人間に自らの主張を代弁させる」手法で、今回登場したのは、「マーティン・ジャック(Martin Jacques)英ケンブリッジ大学上級研究員」なる人物である。環球時報の常連でもある。
寄稿文のタイトルは、「アメリカがアフガニスタンで遭った災難的な失敗、もはや誰がその東アジアや南シナ海での判断を信じるだろうか?」。全文は長いので、要旨のみ箇条書きにする。
・アメリカはアフガニスタンで、タリバンがもたらした歴史的失敗に直面している。アメリカがそこで2001年に始めた最長の戦争が、まさに徹底した屈辱のうちに幕を閉じた。
・このことは、カブールの前政権とアメリカの占領が、ごくわずかのアフガニスタン国民の支持しか得ていなかったことを示している。
・2000年にブッシュJrは、新保守主義を掲げて、21世紀を新たなアメリカの世紀にしようとしたが、イラクとアフガニスタンで恥辱的な失敗をし、1931年以来最も深刻な金融危機(リーマンショック)も引き起こした。
・2009年にブッシュJrが大統領の地位から降りた時、すでに(アメリカの)一極時代は終わっていたのであり、アメリカの軍事力に対する賞賛も損害を受けていた。
・アメリカは現在、急速に衰退していく超大国と、(世界で)広範に認識されている。