2016年9月に広東省沖の南シナ海で中ロ合同軍事演習が行われた。その際にハグし合う両国の海兵隊員(写真:新華社/アフロ)

 8月8日に東京オリンピックが閉幕すると、日本では10日から甲子園の高校野球が始まったが、隣の中国では、9日朝からおどろおどろしい軍事演習が本格的に始まった。中国西部の寧夏(ねいか)回族自治区で、13日まで行われるロシア軍との合同軍事演習「西部連合-2021」である。

年々規模が大きくなる合同演習

 1979年の中越戦争でベトコンを多数殺戮し、「ベトナムの虎」の異名を取った李作成(Li Zuocheng)中央軍事委員会連合参謀部参謀長が、開始式典で演習開始命令を発令した。

 中国とロシアは、2004年10月に4374kmの国境を完全に画定した。これを祝して、2005年8月18日~25日に、初の合同軍事演習「平和の使命-2005」を行った。この時の中国側の責任者は、梁光烈(Liang Guanglie)総参謀長だった。

 中国がロシアと合同軍事演習をおっぱじめた目的は主に2つあって、1つはスホイ戦闘機など、ロシア製の最新兵器を売ってもらうこと。もう1つは、中ロが組んで、アフガニスタン戦争、イラク戦争とのめり込むアメリカに対抗することだった。

 以後、中ロ合同軍事演習は年を追うごとに規模や内容が拡大、深化していき、今年も特大の合同軍事演習となった。