7月30日、緊急事態宣言に4府県を追加することを発表する菅義偉首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 8月5日、東京の一日の感染者数が、初めて5000人を超え、5042人となった。東京に隣接する神奈川県が1846人、埼玉県が1235人、千葉県が942人、山梨県が67人と、いずれも過去最高を記録した。全国でも、1日の感染者として初めて、1万5000人を超え、1万5263人となった。

 菅義偉首相は8月2日、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制に関する閣僚会議を開催し、病院に入院できる対象者を、重症者に限定する方針を決めた。翌3日、菅首相は、中川俊男日本医師会会長らを首相官邸に呼んで、この新方針を説明した。

 コロナの感染者に自宅療養を強要したら、家庭内感染が広がるに決まっている。もしくは独り暮らしであれば、近くのスーパーやコンビニに買い物に行くだろうから、そこで感染が広がる。そもそも感染者は、いつ重症化するかと、不安な日々を送ることになる。ガースー首相の、とても血の通った人間とは思えない無機質な表情がテレビ画面に映るたびに、ため息が出ていたが、ついに「棄民政策」と来た。

空港に異変

 同じ3日には、自民党の二階俊博幹事長が、菅総裁の任期満了(9月30日)に伴う総裁選について、やはり無機質な表情で、「現職が再選される可能性が極めて高い。誰もが承知していることだ」と述べた。

「何を言っているのでしょうか? 二人(菅首相と二階幹事長)でどこか違う国へ行って、永遠にやっていればよいと思います。ちなみにその国に、国民はいません」

 テレビのコロナ解説でお馴染みの倉持仁・インターパーク倉持呼吸器内科院長は、こう語っていた。まさにこれが、いまの「民意」だろう。

 そんな中、首都圏でいま、「ある現象」が起こっているという。私は、その現象が一番顕著に目撃できるという朝の成田空港へ行ってみた。