文在寅大統領の父親が、かつて日本統治下の興南の役場において農業係長をしていたのは事実だ。その役職からして、食糧供出に従事したと考えるのが自然だ。
だが、この崔候補の主張に対して青瓦台は直ちに抗議の声を上げた。「大統領を引き入れたのは非常に不適切だ」と反発し、「ちなみに大統領の父親は1920年生まれで、解放当時は満24歳だった」と付け加えた。年齢的に見て日本統治下で役場勤めをしていたとしても末端の役人に過ぎない、と言いたいのだろう。
韓国を覆う不毛な「親日」バッシング
北朝鮮からあらゆる侮辱を受けても耐えてきた文在寅大統領でも、「親日派」というレッテル貼りだけはとても耐えられないのだろう。今年5月には、韓国の最高権力者である大統領が、一般の青年を侮辱罪で告発するという事案もあった。その青年は、文大統領の父親を親日派と名指しした「応答せよ、親日派」と題したビラを配布したことで告発されることになった。
大統領選挙レースに本格的に突入前から過熱しはじめた韓国政界の「親日派論争」。だが、「伝家の宝刀」は滅多やたらに抜くものではない。果たして来年の大統領選挙でも“威力“を発揮できるだろうか。