韓国で高い知名度を誇る黄橋益氏は、実際に多数のテレビ番組に出演しているのだが、そこで李在明知事に降りかるスキャンダルについてたびたび積極的に擁護してきた。

 昨年の5月、李知事が、自身の母親を侮辱した兄嫁に向けて激しい悪口を浴びせる様子を収めた音声ファイルがネット上に流出して、世間は騒然となった。このとき黄氏は、自分のフェイスブックや出演したテレビ番組を通じて、「李知事の悪口は、恵まれない環境で育ったことを勘案すれば理解できる」という立場を示していた。今回、韓国メディアはこの点を指摘したのだ。

コラムニストに噛みついた次期大統領の有力候補

 メディアが指摘したのはこれだけではない。大統領選候補登録のために遅くとも今年12月には京畿道知事を辞任しなければならない李知事が、任期3年の観光公社社長をこの時点で任命することは「越権」であるという点、黄橋益氏が観光公社社長に応募できるように既存の応募条件を大幅に緩和したという点などが相次いで指摘された。これには野党からはもちろんのこと、与党からも批判の声が上がった。

 その批判する側の列に加わったのが、李在明知事と「共に民主党」の公認候補の座をめぐって熾烈な争いを展開している李洛淵(イ・ナギョン)前代表の陣営だった。李洛淵陣営は、突如として黄氏を「親日派」として攻撃しはじめたのだ。

李洛淵「共に民主党」前代表(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 具体的には、李前代表側のシン・ギョンミン前議員がラジオに出演し、黄氏任命の不適切性を指摘しながら次のように述べた。

「京畿道庁が(李在明候補の)道庁キャンプになったと言えるほどあまりにも多くの不公正採用がある」

「この方(黄氏)がこれまでやってきたいろんな言動を見ると、(京畿道ではなく)東京や大阪の観光公社に向いている方だ」

「日本の食べ物を高く評価し、韓国料理は“亜流だ”、“コピーだ”というようなコメントが多すぎる」