日本人は憤慨するだろうが、長年にわたり反日教育と反日政策が行われてきた韓国では、「親日派」のレッテルを貼られることが致命的なダメージになる。本人の問題だけではない。先祖が日本統治下のエリートだっただけで「親日派の子孫」としてバッシングの対象になる。政治家ならばなおさらだ。
そのため選挙が行われるたび左派勢力は保守系の候補者に対して「親日」の烙印をたびたび押してきた。左派にとってこの「親日派狩り」は、いわば伝家の宝刀だ。
ところが、来年3月に次期大統領選を控えた現在、これまでとは違う構図で「親日派」論争が巻き起こっている。左派勢力内にも「親日派」のレッテルが貼られる人物が続出し、韓国政界が混乱し始めているのだ。「親日派」とされた人々が激しく否定し反論するという論争が各方面で勃発しているのだが、なんとこの「親日派」論争は文在寅大統領にも飛び火している。それほど韓国では「親日派」とされることに強烈なアレルギーがあるのだ。
道知事シンパのコラムニストを道の公社社長に抜擢
与党内の親日派「激突」の発端となったのは、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の“不適切な”人事権行使だった。8月13日、「中央日報」をはじめとする多数のメディアは、著名な料理コラムニストの黄橋益(ファン・ギョイク)氏が京畿観光公社社長に内定したと報じた。同時にそれらの報道は、黄氏が李在明京畿道知事の“悪口スキャンダル”を擁護してきた人物であるという点も強調していた。