黄橋益氏は、これまで韓国の食文化より日本のそれを高く評価しており、それを理由に韓国のネット民からから「親日派」という攻撃を受けてきた。東京五輪で韓国選手たちに提供される福島産食材の放射能汚染を懸念し、韓国では選手のために弁当を空輸する方針を固めたが、これに対して黄氏は「オリンピックのことを祭典だと言いながら、参加する客が自分で料理を買っていくというのは、あまり見栄えのいいものではない」と批判的な立場を示したことで、韓国メディアや国民世論から非難を浴びていたのだ。
そうした経緯から「親日攻撃」にトラウマを持っていたのだろうか。味方だと思っていた李洛淵側からまさかの「親日」攻撃を受けた黄氏は、つい堪忍袋の緒が切れてしまったようなのだ。
批判に逆ギレされ、たじろぐ李洛淵
黄氏は、自分のフェイスブックを通じて、「李洛淵前代表は、韓国大統領ではなく、日本首相が似合う」と皮肉った。その後もインタビューや自身のフェイスブックなどさまざまなメディアで手当たり次第に李洛淵側に暴言を吐いた。
「(李前代表が)敵が作った“親日フレーム”で(私を)攻撃するのは人間的な道理ではない。人畜生がやることだ」
「李前代表の経歴を見れば日本通だ。日本の燕尾服を着て行事に参加するのを見ると、日本の政治家がよく似合う。どうぞ、日本の首相にでもなってください」(以上、8月18日、CBSラジオのインタビューの内容)
「これからは、ひたすら李前代表の政治生命を断つことに集中する」
「李洛淵側が先に私のことを“親日”だと攻撃した。韓国社会では“親日”は“人畜生“よりもひどい暴言だ」
「どうせこうなったのだから、李洛淵が親日なのか一つ一つ問い詰めてみよう」(以上、8月18日に本人のフェイスブックに掲載した内容)
憤慨し、どんどん過激化する黄氏の攻撃が数日間にわたって韓国メディアを騒がせると、ついに李洛淵前代表が一歩後退した。
「私たちキャンプの責任ある人物が(黄氏に対して)親日問題を取り上げたことはやりすぎだと思う」
実は新聞記者時代に東京駐在特派員をしていたり、政界入りしてから韓日議員連盟の幹部を務めたりしている経歴から韓国政界きっての「知日派」とされる李洛淵前代表自身も、すでに一部のネット民から「親日派」という攻撃を受けている。そこで黄氏との間で、親日フレームの押し付け合いをするのは負担だったのかもしれない。