「働く≒就職する」図式が完成

 2000年代に入ると、中小の工場まで姿を消し始めた。いわゆる産業の空洞化が起きた。超円高が始まり、大企業はアジアに工場を移し、下請けの中小企業も海外移転するか、または取引中止を迫られた。

大店法廃止
→大型店舗の増加
→商店街の崩壊

超円高
→工場の海外移転
→産業空洞化
→中小工場の大幅減

 これにより、徐々に「家業を継ぐ」という選択肢が失われていった。働く≒就職する、という図式が2000年代に入ってから強固になり出した。

 興味深いことに、1990年代と2000年代で、リクルートスーツに違いがみられる。1990年代までは、就職活動用スーツは比較的カラフルだった。ところが2000年代に入ると、無難な黒(紺)一択になる。「普通シンドローム」の完成を見る思いがする。

(参考)80-00年代『JJ』におけるリクルートスーツの変遷
https://togetter.com/li/303211

(写真:ロイター/アフロ)