「内申書に書いてやる!」
高校の序列化が始まったあたりで「内申書」が重みを増してきたようだ。内申書は、中学校から受験先の高校への申し送り。内申書次第で進学先が決まるのかも、と生徒はすっかり委縮してしまった。教師から目をつけられないようにと「普通化」圧力に屈し始めた。
漫画『ウイングマン』(桂正和作、1983年)には「内申書に書いてやる!」と教師が叫ぶシーンが登場する。もうこの頃にははっきり、内申書が中学生への脅しになると認識されていたことを示している。
校内暴力から序列化容認の時代へ
興味深いことに、校内暴力は1970年代末期から問題化し始めている。『3年B組金八先生』第2シリーズでも、生徒間のケンカというより、先生という「支配者」に反抗する校内暴力がはっきりと描かれている。「普通」から逸脱した不良生徒を「腐ったミカン」と表現する場面も出てくる。
共通一次試験導入後の、偏差値による大学・高校の序列化、偏差値と内申書で子供を管理、序列化しようとする学校に対し、強烈に反発したのが、校内暴力だったのではないか。
しかし校内暴力はやがて鎮圧され、序列化に素直に従う子どもたちが「普通」となった。
『3年奇面組』には、目立たぬように振る舞う「普通」の子どもたちと、対をなす存在としての「奇面組」の奇行が描かれている。