男性の勃起不全の8割がパートナーの問題やマンネリなど心理的要因によるといわれ、性中枢の脳細胞が老化して刺激に対する感受性が弱まることで性行為は停止に追い込まれる。
つまり、肉体的にどんなに健康であっても脳が外的な刺激を受けなければ性行為はできなくなるのである。
医師でジャーナリストの森田豊氏は、適度な「下心」は体に良い影響を及ぼすという。その理由の一つとして、英国の「性の健康」に関する調査を挙げている。
調査は45歳から59歳までの918人の男性に対して10年間にわたり行われた。
猥褻なことを考えている男性ほど死亡率が低く、性的興奮がほとんどないグループの10年後の死亡率は、性的興奮が多いグループの約2倍という調査結果が出たという。
これは女性に対する性的な関心が低い方が死亡率は高く、定期的に性行為をしたり、卑猥な想像をしたりする人の方が長生きすることが疫学的に証明されたということになる。
一般的に歳を重ねるごとに「その気はあるが、体がついていけない」と性合の頻度は低下する傾向にあるが、性欲を枯れさせることはない。
生涯にわたって性行為を楽しみたいのであれば、性意識を高め、脳の感受性をいかに維持できるかが肝腎なようだ。
男性は加齢とともに勃起の頻度、堅さは次第に衰えていく。その理由の一つに、性ホルモンとしての作用するテストステロンの減少があげられる。
一般的に性欲は男性で90%が70歳代まで維持し続けるが、男性のテストステロンが鎮まるスピードは個人差がある。中には70代でも、その値が30代の平均値と同じ人もいるらしい。