連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識

魅惑的な肉感を強調する東洋のモナリザと評されるアンコールワット・バンテアスレイの女神

 性に目覚め、自慰を覚えると、それに伴って悩みが発生する。

 悩めば本を読み、悩むから考え、悩むことで語り合い、悩みから解放されるために宗教や哲学を求める。

 人に悩むことを最初に教えてくれる「性」なるものこそ、人間形成にとってかけがえのないものといえよう。

着衣は躰を隠すためのものか

 人間が衣服を着るようになったのは7万年前から7万5000年前だといわれる。寒冷化した気候を生き抜くために衣服を着るようになったと推定されている。

 針と糸によって素材が縫製され複雑なつくりの衣服が誕生したのは約2万5000年前。

 一説によると、ことに女性の場合、衣服によって羞恥を隠そうとしたものではなく、むしろ自らの肉体、あるいは女性としての存在を強調させようとしたものではないかという。

 確かに、男性は衣服を脱いだ女性の裸体がどんな形であるかを想像すると無意味で退屈な時間は多少つぶれるものである。

 古代文明においての裸体生活では腰に縄を巻き、それに貝類や石類をつるして飾っていた。それがやがて腰蓑となり、後に衣服が出現する。

 古代の女性も現代の女性と同様、誰よりも目立ち、美しく見えるものに憧れ、他者と違う奇抜な服装や美しい服飾品を求めた。

 そして、様々なもので身を飾るうちに、いつしか顔と手先だけしか見えないまでになってしまった。