それは不必要なものを強調することで、やがて男が欲する女性の隠された魅惑的な艶姿を披露することで己の価値を引き上げる、女性ならではの手練なのかもしれない。
だが、やがて衣服の長さはだんだんと縮められ、肌を見せて肉体の魅力を表すようになっていった。
40年前の不良女子高生の制服のスカートは丈が長かったが、30年くらい前からロング丈にインバースするかのごとく、制服のスカートの丈は短くなった。
その理由について、20年以上ユニフォームの調査研究をしている佐野勝彦氏(トンボ・ユニフォーム研究室主席研究員)は、女子高生に聞き取り調査して判明した。
その興味深い理由を『制服路上観察 (光文社新書刊)』に綴っている。
なぜ女子高生はスカートを短くするのか
その理由として、女子高生は自分たちの容姿についてチャームポイントとウィークポイントを客観的に分析し把握しているからだという。
未成熟な彼女らは大人の女性と自分たちを比較すると、艶容さや色気といった部分は大人の女性が勝っていることを理解している。
だが、未成熟であるがゆえに女子高生たちが、大人の女性よりも勝っていると認識している部分がある。
それは脚。特に膝の部分が大人の女性よりも魅惑的であると感じているのだとか。
女子高生の膝の裏にはH形の張りのある窪みがある。その弾力性のある凹凸は、いまだ完全に成熟していない高校生時代に最も顕著に浮かび上がる。
このH形の凹凸の窪みは、艶容な女性にも、あどけない子供にもない女子高生だけが持つ健康的で完成された若さのピークの象徴で、彼女らはその魅力を主張したいがためスカートを短くしているというのである。
ここでも、衣服は羞恥を隠そうとしたものではなく、自らの肉体、あるいは女性としての存在を強調させる効果があるようだ。