選挙を控え政治の思惑が交錯、五輪開催にどう影響するか

 今年は、選挙の年である。7月4日には都議会選挙が行われ、秋までには衆議院の選挙がある。

 小池都知事時は、2月17日に予定されていた4者会談(都、国、組織委、IOC)に「出席しない」と早々に表明したが、それは、森失言を利用して、自分に世間の注目を集め、二つの選挙に勝とうと目論んだからだ。

(参考記事)「森失言」に乗じ権力闘争にうつつ抜かす小池都知事
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64060

 小池都知事のみならず、菅政権を批判する野党勢力も、森発言絡みの不祥事を利用しようとしている。東京五輪中止→菅内閣打倒を狙っているのである。

 いかにしてこれらの勢力に対抗するかということが、自民党、そして官邸の最大の眼目であり、森後任もそのような観点から戦略を練ったのである。マスコミは、橋本聖子氏の他に、山下泰裕氏、小谷実可子氏らの多くの名前を候補として挙げたが、菅政権の思惑が全てを決した。

 小池都知事にとっては、森元総理と政治的に「父・娘」関係にある“傀儡”の橋本氏は官邸直結であり、何かとやりにくい。たとえば、無観客試合となったときのチケット代の損害、数百億円を誰が負担するかという問題は、国や組織委と交渉せねばならない。小池vs.菅・橋本連合軍となるのは嫌なのである。そこで、小谷氏を推薦したのである。

 官邸からすれば、女性有利の風潮の中で、組織委会長が男性になると、女性都知事と対抗しづらい。橋本氏の政治歴は小池知事よりも短いが、それでも国会議員と大臣を経験している以上、何とか対抗できるのである。

 森氏の「女性蔑視」発言から始まった騒動は、皮肉なことに「女性でなければ駄目」という逆差別的風潮を生んでしまった。なんとも軽薄な世論であるが、それ以上に選挙を控えての政治的思惑が働いたのである。

 その意味で、まさに五輪は政治そのものなのである。橋本新会長の下で、東京五輪が無事開催されるか。3月25日には聖火リレーが始まる。その前に、3月中旬にはIOC総会が開かれる。大きな闇を抱えた東京五輪の行方はまだ不明である。

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