また、台湾陸軍も11両のHIMARS(高機動ロケット砲システム)、64両のATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)、100両のHCDS(ハープーン沿岸防衛システム)を、それぞれ地対艦攻撃用ロケット弾ならびに地対艦攻撃ミサイルとともに装備することになった。

ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)

 米軍(とその同盟勢力)が東シナ海や南シナ海を中国大陸に向けて侵攻する場合、それに対する中国軍の防衛策の主軸は、米軍側艦艇や航空機の攻撃圏外から多種多様の対艦ミサイルや対空ミサイルによって攻撃して、中国沿岸域への敵の接近を阻止することにある。

 台湾軍も、中国軍の接近を阻止するための対艦ミサイルを開発し配備を進めているが、米国から上記のような地対艦攻撃兵器を輸入することによって、台湾軍の接近阻止戦力は格段と強化されることになる。接近阻止戦力の有用さを熟知している中国側にとっては、少しでも避けたい事態ということになる。

極東米軍の死命を制する台湾防衛

 台湾への軍事的支援は、中国を封じ込める中国包囲網構築のための極めて重要な鍵となる。万が一にも台湾が軍事的に中国の手に落ちてしまったならば、東シナ海と南シナ海のど真ん中に、中国が西太平洋に直接進出するための拠点が誕生することになり、中国包囲網の構築は不可能になってしまう。