感染症対策と経済活動は可能な限り両立

 6つの公約には載っていないものも含め、菅首相が総裁選の演説会や討論会、記者会見等で打ち出した主な経済政策を整理してみましょう。菅首相のスタンスを分かりやすく捉えるため、岸田前政調会長や石破元幹事長が総裁選で打ち出した政策と比較してみます。
 
 当面の経済運営については、3者とも五輪開催を目指し、現行の金融政策運営を当面維持する方針で概ね一致していました。似ているようで非なるのが感染対策と経済の関係です。

 菅首相は経済「活動」との両立を図るとパンフレットに記載しています。爆発的な感染は絶対に防ぐとの大前提のもと、企業活動をなるべく止めず、工夫して感染対策を推進する方針とみられます。一方、岸田前政調会長と石破元幹事長は、経済「対策」との両立を明記しています。石破元幹事長は、強制力を伴う休業要請と休業補償の制度を、感染収束を待たず早期に整備すると主張していました。感染拡大を防ぐためには強制力を用いて企業活動を止める必要があるとの認識とみられます。

 中長期的な経済運営は、3者で大きく異なります。菅首相は成長重視とみられます。岸田前政調会長は「分断から協調へ」を理念に掲げ、格差を是正するための分配政策を重視していました。石破元幹事長は、人口、企業、税収等の東京一極集中を是正し、地方へ移転することで、内需主導型の経済成長を図るべきとの立場です。

 また、金融政策について、菅首相は中長期でも金融緩和継続の方針を掲げましたが、岸田前政調会長と石破元幹事長は、金融緩和の副作用に言及していました。副作用を軽減するため、金融政策の正常化を目指す方針とみられます。

菅首相が掲げる経済政策一覧。比較のため、岸田前政調会長と石破元幹事長が総裁選で打ち出した政策と比較している
拡大画像表示