菅首相の基本理念は「自助・共助・公助」

 菅首相は総裁選パンフレットで「自助・共助・公助、そして絆」を理念として掲げました。「自助・共助・公助」は、元々防災や危機管理でよく使われる用語です。災害発生時に、自助(自分の身を守る)、共助(地域やコミュニティで助け合う)、公助(公的機関が救助・援助する)の3つを組み合わせて、減災を図るという考え方です。菅首相は、「自助・共助・公助」を国の基本、目指すべき社会像と捉えています。

 菅首相は、この理念を総裁選のために急ごしらえで用意したわけではなく、官房長官として臨んだ過去の国会答弁の場でも用いています。順番が重要で、まずは「自助」を促す環境整備を行うことが主眼にあるようです。

 9月8日に開かれた総裁選の所見発表演説会で、菅首相(当時官房長官)は目指すべき社会を実現するため、「行政の縦割りを打破し、既得権益を取り払い、悪しき前例を廃し、規制改革を全力で進める」と最後の締め括り部分で強調しました。菅首相は、アベノミクスの継承を掲げていますが、根底にある考え方としてはむしろ「聖域なき構造改革」を掲げた小泉元首相に近いように思われます。

 なお、自民党の綱領には、「自助自立する個人を尊重し、その条件を整えるとともに、共助・公助する仕組を充実する」という文言があります。菅首相の考え方は、自民党内では異端ではなく、むしろ正統と言えます。