空軍力と言えば、戦闘機や爆撃機が花形であり、現代戦では、ステルス機が最も注目される。
近代化を進めてきた中国軍新型戦闘機数は日本の約4倍になり、作戦空域も日本領土の大部分に到達できるようになってきた。
では、中国空軍戦闘機の空中戦闘能力はどうなのか。
中国と日本が同じレベルの戦闘機で、空軍の総合的な戦いになれば、「日本が有利だ」、その逆に「日本は勝てない」とする評価もある。
実際はどうなのかを戦闘機の能力および総合的な空中戦闘システムの観点から分析する。
中国空軍の空中戦闘能力の推移
中国空軍は1995年頃まで、近代的戦闘機「Su-27」戦闘機26機だけであり、「J-6/7」(露名「MiG-19/21」)などの旧式戦闘機を約4000機保有していた。
その戦闘機の戦闘行動半径は、東シナ海のほぼ中間線で、空対空ミサイルの射程は7~8キロであった。
また、戦闘機は、中国本土のレーダーサイトの管制官からボイス通信で指示されていた。
例えば、レーダーサイトの管制官が「○○号機、どの位置に日本の戦闘機が出現した。対応せよ」といった具合だっただろう。
一方、この当時の航空自衛隊「F-15」、「F-4」戦闘機は、上空に上がれば、早期警戒管制機(AWACS)とデータリンクで繋がっていた。
リアルタイムで敵味方の航空機情報を得て、射程約50~70キロの空対空レーダーおよび空対空赤外線ミサイルを発射して確実に撃墜するというシステムと技術を保有していた。