日本は、この当時から早期警戒機(AEW)と早期警戒管制機(AWACS)を保有していた。

 AEWは、管制能力や航続時間ではAWACSに劣るものの、洋上での艦艇や航空機などに対する警戒監視を実施できる航空機で、わが国は「E2C」および改良型の「E2D」を保有している。

 早期警戒管制機としては、ボーイング製中型旅客機の「B767」を改造した「E767」を保有している。

 近代的な戦闘機とAWACSを要とした空自戦闘機が、日本周辺空域において、10倍以上の中国空軍旧式機と交戦のシミュレーションをすれば、日本が航空優勢を獲得できることが分かっていた。

 このため、中国軍機が、実際に上空に上がれば、パイロットに気づかれずに、日本の戦闘機は、中国軍機を撃墜すると推測されていた。

 このためか、MiG-17/19/21戦闘機は、実際に東シナ海に展開することはまれであった。

空対空ミサイル戦の様相と変化(イメージ)

出典:西村・岩切作、Su-27とF-15は森山ひろみ