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(城郭・戦国史研究家:西股 総生)
「占地」とは何か?
前々回の曲輪 → 前回の縄張りと話が進んできて、城を全体として見ることの大切さが、少しおわかりいただけたでしょうか。城全体を見るときに大切な要素の一つは縄張りでしたが、もう一つ、占地(せんち)があります。
いきなり「占地」という言葉が出てくると、なんだか専門用語っぽくて、むつかしそうな感じがします。でも、この講座で、僕が皆さんにぜひ知っていただきたい、と紹介してきた言葉は、意味がわかると「なーんだ、まんまじゃん」と思えるものが多かったでしょう? 隅にあるから隅櫓とか、縄を張って設計するから縄張りとか。
占地もそう。城が、どんな地形を占めているか、それが占地です。まんまでしょう? なので、「このマンションの立地は・・・」「御社の立地は…」というときと同じように、「この城の占地は・・・」などと、言ってみましょう。ほら、通っぽいでしょう?(笑)
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ところで、山城(やまじろ)、平城(ひらじろ)、平山城(ひらやまじろ)という言葉を聞いたこと、ありませんか? これらは、占地から城を分類した言葉です。山の上に占地しているから山城、平らな地形に占地しているから平城、まんまですね。
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山城は高いところに築くので、登るのが大変です。当然、攻める方は大変です。一方、守る方は最初から山の上で待ち構えていればよいのです。高い場所にいれば、敵が攻めてくるのを見つけやすいですし、敵の数(兵力)や部隊の配置なども、丸見えです。
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