体操の代表選手候補に突然帰省指示

 女子体操選手として他の体操競技選手団とともに合宿をしながら11月初旬からフィリピンでの大会に備えていた床運動のスペシャリストでもあるシャルファ・アブリラ・シアニさん(17)は11月26日、体操競技のコーチから代表候補を突然外されて、出身地の町へ帰るように命じられた。

 娘のシャルファさんを迎えに行くよう指示を受けた東ジャワ州クディリ在住の母親アユ・クルニアワティさんは、競技関係者やマスコミ関係者から娘の排除理由が「処女ではないこと」であると聞かされ、深い悲しみと同時に怒りに襲われたという。

「娘が非処女である訳がない。しかしもしそうだとして体操選手として何が問題になるのか、体操競技とどう関係するのか」と思ったアユさんだったが、とにもかくにも帰省したシャルファさんをまずは地元のバヤンカラ病院に連れて行き検査を受けさせた。

 その結果シャルファさんには「処女膜が残っていた」ことから処女であることが医学的に証明されたとアユさんは主張している。もっともインドネシアのマスコミの中には「処女膜が残っているからといって必ずしも性交未体験とは断定できない」(iNews)との見方を伝えるところもあり、にわかに「処女論争」が巻き起こっている。

 こうした論争の過熱ぶりに対し青年スポーツ省のガトット・デワ・ブロト報道官は11月29日に声明を出し「シャルファさんの代表選手からの排除は合宿中の素行や競技への集中力欠如があったためであり、処女かどうかが理由ではないと聞いている」との見方を示した。ただ、事柄の性格上「詳細な調査をして処女性が問われたかどうかを調べ、もしそうした事実があれば厳正に対処するべき問題と考える」と将来の調査に含みをもたせた。

 同省では同時にインドネシアのすべての競技団体に対し「極めて個人的な理由である女子選手の処女性と競技を関連付けるようなことを決してしないように」と警告を発する事態となっている。

 競技関係者の話や地元マスコミの報道を総合すると、シャルファさんは合宿中も夜遅くまで複数の男性選手らと外出することを繰り返し、コーチ陣が「夜遊びばかりしていることから処女ではないとみられる」と判断して代表選手から外すことを決めたという。

 シャルファさん自身には排除の説明も帰省指示の理由も直接告げられることはなく、帰省にもコーチや関係者は同行せず、帰省して初めて「非処女が理由」との報道を知ったという。

地元州知事は競技復帰を要請

 シャルファさんの地元である東ジャワ州のコフィファ・インダル・パラワンサ州知事は「処女性に関する情報を漏らした体操コーチは選手本人と家族に謝罪するべきであり、コーチの追放を含めた制裁を求めたい。誠意ある対応がない場合は国立スポーツ委員会への不信任を突きつけ、予算の一時凍結も政府に要請する」とシャルファさんを擁護する。