(柳原三佳・ノンフィクション作家)
あっという間に過ぎ去った大型連休。長い休みを利用して海外旅行を楽しんだ人もいらっしゃるでしょう。
日本旅行業協会(JATA)が発表した『ゴールデンウィーク旅行人気ランキング』によると、2019年の人気海外旅行先ベスト3は以下の通りでした。
1位 台湾
2位 ハワイ
3位 イタリア
1位の台湾と2位のハワイは、昨年と変わらぬ位置を順当にキープ。3位のイタリアは、休みが長かったこともあるのでしょう、昨年の9位から一気に順位を上げてきました。
ちなみに、昨年3位だったタイは、今年4位だったそうです。
幕末のサムライによるハワイレポート
さて、現在は7~8時間のフライトで到着できるハワイですが、今から160年前の幕末期には、飛行機はまだありません。当然のことながら、簡単に行ける場所ではありませんでした。
「開成をつくった男」佐野鼎(さのかなえ)は、そんな時期にハワイを訪れていた、数少ない日本人の一人でした。
日米修好通商条約の批准書をアメリカの大統領と交わすため、ワシントン行きを幕府から命ぜられた「万延元年遣米使節」。従者も含めた77人の一行は、アメリカから迎えに来た軍艦・ポーハタン号に乗り込んで、1860年1月18日、江戸湾を出港しました。
数日後、太平洋上で大しけに見舞われた一行は、サンフランシスコへ直行する予定を急遽変更し、ハワイ諸島を目指します。そして、2月14日、ホノルルに寄港したのです。つまり、日本からハワイまでの航海に、28日を要したことになります。(*その経緯については、本連載第10回目の『幕末のサムライ、ハワイで初めて「馬車」を見る』http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56142 をご覧ください)。