実力者が前面に

 「実勢 政策室長…青瓦台 政策主導強化」

 人事が発表になった翌日の「毎日経済新聞」は1面トップでこう報じた。

 青瓦台の実力者が、トップに立って政策を主導するという意味で、金秀顕氏本人の説明とは真逆の見出しだ。どんな人物なのか。

 金秀顕氏は、学者出身だ。ソウル大学で都市工学を専攻した。都市計画などが専門だが、環境問題さらに不動産、開発関連に分野を広げる。

 学者だが、実際の政策にも深く関与した。頭角を現したのが盧武鉉政権の時で、国政課題秘書官、国民経済秘書官、社会政策秘書官、環境部次官などを歴任した。

 盧武鉉政権では、不動産政策の実務責任者だった。ところが、この政権の時に、韓国の不動産価格は急騰し「失敗した政策」と言われている。

 その後、学者に戻り、不動産政策に関連の著書も残している。

 進歩系で次期大統領の座をうかがう朴元惇(パク・ウォンスン=1956年生)ソウル市長のブレーンとして、ソウル市のシンクタンクであるソウル研究院長などを務め、2017年の大統領選挙前に選挙キャンプ入りして政策立案にあたった。

 そういう意味では、盧武鉉ー文在寅政権につらなる政策通の幹部なのだ。

 文在寅政権では、社会首席秘書官に就任して青瓦台入りした。政策室長の下のポストだが、金秀顕氏が就任するとその領域が一気に広がった。