2018年11月9日、韓国の大統領府(青瓦台)は、経済政策の責任者ある経済副首相兼企画財政部長官と青瓦台政策室長の2人を同時に交代させる人事を発表した。
後任はそれぞれ経済官僚出身の国務調整室長と青瓦台社会首席秘書官を指名した。
文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権発足以来、韓国経済は低迷が続いている。この責任者2人の「不仲ぶり」も有名で、人事刷新で経済を立て直す狙いだが、野党や産業界から批判が強い政策基調はそのまま維持する方針だ。
経済副首相兼企画財政部長官には洪楠基(ホン・ナムギ=1960年生)氏、政策室長には金秀顕(キム・スヒョン=1962年生)氏を指名した。
国会での人事聴聞会など認証手続きを経る必要がある洪楠基氏は内定、金秀顕氏は即日就任した。
経済副首相と青瓦台政策室長、ツートップはない!
金秀顕氏は11月11日、さっそく青瓦台で記者会見に臨んだ。
今の経済環境についての認識や今後、政策をどう転換していくのか。こうした所信表明の場かと思いきや、強調したのは2点だった。
「これからは、ツートップという言い方が出ないようにします」
まず、繰り返したのが、経済副首相との連携強化だった。
「経済政策の司令塔は経済副首相であり、私はこれを全面的にサポートする」
わざわざこんなことを強調したのは、それだけこれまでの2人の「不仲ぶり」が有名だったからだ。