SDGsの視点で見ると、身近なワラも違った意味合いを持つことが分かる。

 全世界が共通で取り組む目標として掲げられたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)。17の大目標からなり、経済、社会、環境という3つの分野が網羅されている。きわめて広範囲にわたるもので、各国はもちろん、企業や民間組織でもSDGsの達成に向けた動きが増えている。

前回の記事:「国も企業も参加、SDGsが世界的な動きになった理由」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53718)

「SDGsは、それ自体の達成はもちろん、物事を複眼的に見る上でも非常に価値があります。SDGsを意識すると、身近な事象も違った意味合いを持つことでしょう。たとえば、ワラはその代表といえます」

 こう話すのは、環境学や持続可能社会を研究する國學院大學経済学部の古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)教授。ワラが持つ価値とはどんなものなのか。SDGsを契機に「物事を複眼的に見ることが未来の共存社会につながる」と話す同氏に話を聞いた。

國學院大學経済学部教授の古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)氏。大阪大学理学部(生物学科)卒業、農学博士。NPO「環境・持続社会」研究センター(JACSES)代表理事、NPO日本国際ボランティアセンター(JVS)理事、(一社)市民セクター政策機構理事、國學院大學では2011年より学際的研究プロジェクト「共存学」のプロジェクトリーダーを務める。著書に『みんな幸せってどんな世界』(ほんの木)、『食べるってどんなこと?』(平凡社)、『地球文明ビジョン』(NHKブックス)、共著に『共存学1~4』(弘文堂)などがある。

多面的な展開を見せるワラの活用方法

――前回、SDGsの成り立ちを聞く中で「物事をSDGsの視点で見ることが大切」だとおっしゃっていました。