福島原発の除染作業に外国人実習生、4社で発覚 法務省調査

福島県浪江町での除染作業の様子(2016年2月11日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / TORU YAMANAKA 〔AFPBB News

 7月初めからの連日の激しい雨で、西日本では甚大な豪雨災害が発生した。200人を超す死者と行方不明者がでている。また家を流失した家庭など、避難生活を強いられている被災者も多い。地域共同体が消失したとさえ思われる地区もある。

 7月19日現在、自衛隊には1府7県から派遣要請があり、大雨災害としては過去最大規模の隊員約3万1000人、艦船28隻、航空機38機を派遣して支援している。また岩国の米国海兵隊も支援に駆け付けてきてくれている(20日付『産経新聞』)。

 そうした状況を一向にわきまえないかのように場違いも甚だしい「反原発」を訴え、「産経新聞」7月16日の紙面を飾った2ショット写真は小泉純一郎元首相と自由党小沢一郎代表である。

 多くの国民が災害と被災者に心を寄せ、外国からも義捐金などが寄せられているという時期も時期に、笑みを浮かべた小沢氏は、政治家というよりも現状(TPO)さえも弁えない「傲慢」としか筆者には見えない。

 その笑みを誘うように仕向けたのはほかでもない小泉氏である。この時期に語るべきは「反原発」ではなく、被災者支援の「呼びかけ」ではないだろうか。

無知からくる脱原発発言

 小泉氏は『文藝春秋』2016年1月号に、「小泉純一郎独白録」を掲載した。独白録といえば『昭和天皇独白録』を思い出すように、もしかしたら自分を天皇にもなぞらえたかったのではないだろうか。

 それはともかく、小泉氏の反原発は支離滅裂で、説得力がない。記事の細部は奈良林直東京工業大学特任教授(執筆当時は北海道大学大学院教授)の「無知、不勉強 小泉元総理の反原発放言」(『WiLL』2016年4月号所収)に譲る。

 教授は小泉氏の「独白録」を読んで「愕然としました。小泉さんの原子力に対する無知、不勉強を自ら白状したような酷い内容です」と述べたうえで、「こんな人が日本の総理大臣を務めていたのか」と呆れ果てたと酷評している。

 実際、独白録を読むと、間違った説明や比較すべきでない対象を強引に比較するなど、牽強付会的な内容が多い。

 福島原発事故で、安全管理上から多くの原発が止められた。地域的には数日間にわたり計画停電が実施され、暖房や交通で思わぬ混乱に見舞われたのは事実である。

 しかし、全国民的な視点に立つならば、国民の生活にさしたる影響(混乱など)はもたらさなかったという見方も一概に否定できない。

 ただ、これは1970年代の石油ショックがあったとき以上の原油を緊急輸入して、休止していた火力発電所を再稼働させるなどした結果でしかない。