安倍首相の「桜を見る会」 新宿御苑で開催

都内の新宿御苑で開催された「桜を見る会」に出席した安倍晋三首相と昭恵夫人(2018年4月21日撮影)。(c)AFP PHOTO / Toshifumi KITAMURA 〔AFPBB News

 中曽根康弘元首相に議員引退勧告を出した張本人は小泉純一郎首相(当時)であった。

 その小泉氏が高齢になり、しかも議員でもない今日、安倍晋三政権(の倒閣意図であろうが)を批判する姿は本人の美学に反するであろうし、それ以上に民主主義の根幹にかかわり、また国益も害する。

 米国の民主主義がすべてにおいて良いわけではないが、大統領を退いた後は指導者時代の言動をはじめ、映像やテープなど、ありとあらゆる関連資料を取集して自身の名を冠した図書館などを建立し、また著作などに専念して後世の研究者に役立つ努力を惜しまない点は称賛に値する。現指導者に余計な口出しもしない。

 そうした点から見る限り、日本の歴代首相には自身が国家の運営に関わり、国内外情勢とのかかわりでいかに状況を判断し、決断し、行動したかなどを自分自身で回顧し、後世に資する姿勢は見られない。

 また、米国では大統領経験者が党派を超えて協力し、国家の難局に立ち向かう「プレジデント・クラブ」があり、成果を上げてきたとされる。

 戦後最大の転換点を迎えようとする国際情勢は、日本にも大きな影響をもたらす。今ほど世界を俯瞰した指導者が日本に求められる時はない。

 日米同盟に日本存続の重心を置く日本において、その真価を発揮できるのはドナルド・トランプ大統領と格別の信頼を確立してきた安倍晋三氏以外にない。

 そうした状況を一顧だにせず、政局にして安倍首相に引導を渡そうとする小泉氏の心が理解できない。なお、小泉氏の独善的行動については、以下のJBpress論文で、筆者の意見を開陳している。

●「大局観を欠く小泉氏の『即原発ゼロ』発言と行動―自民党の団結を乱し、安倍政治にブレーキをかける危惧

●「濡れ衣で安倍政権を倒して日本沈没を望むのか―いまこそ地球儀外交の力を発揮すべきとき

●「日報問題は『文民統制』を理解しない政治家の責任―パッション政治が自衛隊に混乱をもたらしている元凶だ