「北朝鮮の明るい未来は可能」 米韓首脳、電話会談で強調

昨年の韓国訪問の際、ソウルの大統領府で文在寅大統領(右)と共同記者会見を行ったドナルド・トランプ米大統領(2017年11月7日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / POOL / JUNG YEON-JE〔AFPBB News

 4月に南北首脳会談、5月に米朝首脳会談の予定が進んでいる。米韓朝の3国に加え、中国が陰に陽に関係してくるであろう。そうした中で、日朝首脳会談の可能性が模索されているとの報道もある。

 北朝鮮は核と戦略ミサイルが体制維持に欠かせないとして、昨年まで全力投球してきた。それが平昌五輪における要人接触で一転して、南北、次いで米朝首脳会談まで予定に上がり、遺訓である半島の非核化に応じてもよいと言い出した。

 日本周辺で起きようとしている劇変――これは日本の運命や存立に大いに関わるであろうが、日本の国会は「我関せず」なのか、マスコミはほとんどが森友学園にかかわる文書書き換え問題の報道である。

 北朝鮮情勢ばかりでなく、中国の習近平国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領の長期政権が可能になったということは、日本の針路に大きな比重で関わってくるというのにである。

 中露は日本周辺で爆撃機や戦闘機などの軍用機の行動も活発化させている。また、北朝鮮などからのサイバー攻撃も盛んになる一方である。

 英露間では外交官の追放合戦が起きており、米中間でも同様な問題に加え、貿易戦争さえ懸念されている。

 米国が世界の警察官を降りてから、全般的に混沌とした世界に向かいつつある。戦争に至らないテロなどの頻発が懸念される。こうした動きを見るにつけ、「平和は力で守られる」という現実が浮かび上がってくる。

 これまで戦争や紛争、平和などについて真剣に、かつ現実的に考えてこなかった日本人(安保法制国会でさえ真の議論は行われなかった)にとっては、受け入れがたい事実であろう。

 しかし、世界は虚々実々の駆け引きをしながらも、現実には「力」がものをいう。力には物理的にハードなものだけでなく、諜報戦や超限戦、三戦(与論戦・心理戦・法律戦)などのソフトなものを含むことは言うまでもない。