ロシア「日本への迎撃システム売却は条約違反」 米を非難

ルーマニア・デベセルの軍基地で行われたイージス・アショアの配備式典に出席する米軍兵士ら(2016年5月12日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / DANIEL MIHAILESCU〔AFPBB News

 平成30(2018)年度予算では脅威を増している北朝鮮の弾道ミサイル対処関連の装備が計上されている。外国製で、航空機搭載のスタンド・オフ・ミサイルと地上配備のイージス・アショアである。

 現在の専守防衛は「武力攻撃を受けて、初めて防衛力を行使する」ものであるが、今日の進んだ装備システムの下では、相手の最初の一撃で甚大な被害が出ないとも限らない。

 専守防衛では日本が決して先に手を出さないことを相手は知っているため、自衛隊機や艦船への異常接近、火器管制レーダーの照射、さらには領海への公船の断続的侵入や領空侵犯など、勝手放題を許してきた面も否めない。

 これでは人質奨励も同然であり、対処する自衛隊員にとっては耐え難い。科学技術の進歩による状況の変化も著しく、新装備の導入を機に専守防衛を見直し、敵基地攻撃も行う積極防衛への転換が望ましいのではなかろうか。

 なお、導入する装備の部品も生産国から補給されるのが通常である。

 しかし、高価で先進的な装備が肝心な時に機能しない、あるいは故障部位が迅速に入手できないとなればことは重大である。このためにも、特に重要な部品などは国産化を追求する必要がある。

当面の兵器は外国から購入

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの最終的な開発と搭載する核弾頭の小型化に注力している。国連は相次いで制裁決議を行っているが、制裁の目を潜り抜けるようにして完成を目指している。

 日本に拡大核抑止力を提供することになっている米国も、どこまで北朝鮮の開発状況を把握しているか定かでなく、レッドラインも揺れ動いている感がしないでもない。

 北朝鮮がワシントンやニューヨークを覆域に入れるICBM(大陸間弾道ミサイル)を配備した暁には、米国の拡大抑止が機能しなくなる危険性がある。その状況下では、日本は直接的に北朝鮮の大量破壊兵器の脅威下に置かれることになる。

 日本が急遽、スタンド・オフの巡航ミサイルと地上配備型のイージス・アショアの導入を決意したのは、そうした危険に対処するためである。専守防衛の立場から、この種兵器をもち得なかった日本としては、外国からの導入も致し方ないであろう。