マケイン米上院議員、トランプ氏の徴兵逃れ疑惑を非難? 舌戦に拍車

独ミュンヘンで開催されたミュンヘン安全保障会議で演説するジョン・マケイン上院議員(2017年2月17日撮影)。(c)AFP/THOMAS KIENZLE〔AFPBB News

大反響を呼んだHBOテレビ
「誰がために鐘は鳴る」

 昨年(2017年)、脳腫瘍を告知され、目下病床にあるジョン・マケイン上院議員(共和党、アリゾナ州選出=81)が米メディアで一斉に取り上げられている。

 著名コラムニストが同上院議員の業績を称えれば、テレビ局のHBOやPBSが競ってドキュメンタリー番組を放映している。

 現職上院議員を扱った番組としては異常な反響を呼んだという。そうした中でマケイン氏自身、5月中旬、7冊目の本を著した。

 ちなみにHBOドキュメンタリーのタイトルは『For Whom the Bell Tolls』(誰がために鐘は鳴る)*1

 マケイン氏が愛読したアーネスト・ヘミングウェイの『For Whom the Bell Tolls』の主人公ロバート・ジョーダンの「瞑想」に出てくる英詩人ジョン・ダンの詩句だった。

 マケイン氏はこのジョーダンの生きざまに陶酔してきた。

(参照=https://www.hbo.com/embed/documentaries/john-mccain-for-whom-the-bell-tolls/videos/trailer.htmlhttps://www.pbs.org/video/mccain-kzzzuj/

 今起こっている「マケイン・ブーム」は、さながら「生前葬」の様相すら呈している。失礼な言い方だが、マケイン氏の家族は同氏がいつ召されても準備はできているという。

*1=スペイン内戦に反ナチス義勇兵として参加した米国人青年のロマンと英雄的な死を描いた長編小説。「鐘」は誰か亡くなった時に鳴らす合図。「誰のために鐘が鳴っているのかと問うな。鐘は君の死を悼むために鳴っているんだ」。他の人たちを助けるために自分の命を投げ捨てる若者と人類全体の連帯責任のあり方を追求した長編小説で、クラーク・ゲーブル主演で映画化されている。ヘミングウェイ自身がスペイン内戦に参加した時の体験談を基にしているとされる。