中国が受注したインドネシアの高速鉄道建設プロジェクトが難航していると伝えられているが、その一方で、両国の間に領海および海洋権益をめぐる問題がにわかに勃発し、緊張が高まっている。
6月23日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、南シナ海・ナトゥナ諸島沖のインドネシア海軍コルベット「イマムポンジョル383」上で主要閣僚や軍首脳とともに閣議を開き、同海域の防衛を強化し、インドネシアの主権を維持することを明言した。
インドネシア海軍コルベットが中国漁船を拿捕
閣議の前の週の6月17日、ナトゥナ諸島北方沖のインドネシアの排他的経済水域(EEZ)に12隻の中国漁船が許可を得ずに侵入し、操業しようとしている現場を、インドネシア海軍が発見した。
インドネシア海軍艦艇が警告を発しながら、中国漁船群に接近したところ、11隻の中国漁船は逃走したが、すでに網を入れていた1隻はインドネシア海軍コルベット「イマムポンジョル383」に捕捉された。その中国漁船はインドネシア軍艦の警告を無視して逃走をはかったため、「イマムポンジョル383」は警告射撃を実施して追跡し、中国漁船を拿捕した。
今回の事件が発生した水域を含むインドネシアのEEZ内において漁業活動をするには、インドネシア当局の許可が必要である。中国船に限らず、このような許可なき漁船が操業することはできない。そのため、インドネシア海軍による中国魚船拿捕は主権国家にっては何ら問題のない行動である。