アフガン経験の元米海兵隊員、米ゲイクラブ乱射で大勢の命救う

米フロリダ州オーランドの「ドクター・フィリップス・センター」前に設けられた、ナイトクラブでの乱射事件の犠牲者を追悼する献花台。乱射事件の犯人はイスラム教徒だった(2016年6月14日撮影)。(c)AFP/Brendan Smialowski〔AFPBB News

 6月中旬にフロリダ州のナイトクラブで発生したテロ事件後、米国大統領選で民主党の指名が確実となったヒラリー・クリントン候補が、それまでテロへ言及する際に使わなかった「イスラム」という言葉を「これからは使う」と宣言した。

 共和党側のドナルド・トランプ候補は選挙戦の中で「クリントン氏もオバマ大統領も、イスラム過激派のテロを語る際にイスラムという言葉を使わず、問題の核心をぼかしている」と非難していた。クリントン氏はこの非難に応じる形となった。

 それに対してオバマ大統領はあいかわらず「イスラム」という名称を使おうとしない。だが、クリントン氏のこの変化が、今後の米国のテロ対策に影響を及ぼしていくとの見方もある。

米国で続くイスラム過激派によるテロ

 6月12日未明にフロリダ州オーランドの同性愛者向けナイトクラブで起きた大量殺害事件の実行犯、オマール・マティーンは、アフガニスタン系の両親のもと、米国で生まれた。イスラム教信者であり、しかもイスラム原理主義のテロ組織のIS(イスラム国)への忠誠を誓っていた。同性愛がイスラム教の教えに反する行為として、日ごろから激しく反発していたという(一方で、実は本人が同性愛者だったという報道もある)。