日本食の海外進出は勢いは増すばかりである。例えば、タイの首都バンコクをガイドブックなしにぶらりと歩いただけですぐに日本でよく目にするレストランを発見できる。味も日本とほとんど変わらない。値段も日本と変わらないのはやや不満だが、一昔前とは日本食の環境は様変わりである。

日本食レストランの空白地? 米シリコンバレー

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 最近とみに増えている日本語のフリーペーパーを開けば、ありとあらゆる種類の日本食レストランのきれいな広告が目に飛び込んでくる。

 なかでも人気なのがラーメンのようだ。いったい専門店はいくつ進出しているのだろう。

 「ラーメン戦争」という言葉は、いまや日本の専売特許ではなくなった。バンコクはもちろん、米ニューヨークや英ロンドン、フランスのパリ、シンガポールなどでも当然のように聞かれるようになった。

 勝手な推測だが、この言葉が聞かれるかどうかが、その地域で日本食レストランの量と質が高いレベルにあることを示すバロメーターとも言えそうである。

 そうしたなかで、意外な空白地帯がある。米西海岸のシリコンバレーだ。

 言わずも知れた世界のIT産業のメッカには、世界中から多種多様な人たちが集まって来る。知性豊かで健康にも気を遣う彼らは日本食を好むはず。

 大学の工学部を卒業してエンジニアとしてこの地で雇われる人の初任給は10万ドル(約1000万円)にも達するという。

 マネジャークラスの賃金は欧米はもちろん、アジアの国々よりも低く抑えられていると言われる日本から見ると何とも羨ましい限りである。

 それなら、少々値が張ったとしても日本食に手が出ないはずはない。しかし、この街にはどういうわけか本格的な日本食レストランが多くない。世界の潮流から取り残されている感じがしてならないのだ。

 もっとも「Sushi Bar」の看板は、街をクルマで走ればけっこう見かける。でも経営しているのは韓国人かあるいは中国人の移民であることが多い。本家の名を語った偽物が残念ながらまだ幅を利かせている。