川嶋 先生は抗がん剤は血液のがんなど必要な場合もあるけれども、日本人に多い胃がんや肝臓がん、肺がんなどには効くどころか猛毒であると言っていますよね。日本のお医者さんは抗がん剤を投与したがるとよく聞きますが本当なんでしょうか。
近藤 抗がん剤は、悪性リンパ腫とか急性白血病という血液がんとか、効果のあるがんもあるんだけど、それは全体の約1割程度です。胃がん、肺がん、乳がんとか、いわゆる固形がん、固まりを作るがんにはほとんど効かない。
それなのに投与している。患者に毒を飲ませているようなものだよ。かえって患者の体を悪くしてしまう。
でも、抗がん剤の投与をやめると、それに関わっている人たちの生活が崩壊するよね。だからできないんだ。本当はいま患者に投与されている抗がん剤の約9割は使うべきではないんだ。
また、私の言うとおりにすると、外科手術だって8割ぐらいなくなる。そうなると外科医や手術に携わっている人たちの生活も崩壊する。「がんは放置しておけ」というのは、日本の医療システムを脅かす。だから強い反発があるんですよ。
川嶋 先生は人間ドックなど定期検診も受けるべきではない。とりわけ、検診車でレントゲン撮影を受けると、X線による被曝でかえってがんになる危険性が高まると指摘されています。
近藤 一般的な健康診断(健診)については、この本(『医者に殺されない47の心得』)の中で1つだけ例を載せたけど、そもそも全部がムダなんだよね。
実は定期健診については、それを受けている人と受けないでいる人の病気になる確率を調べた調査があるんですよ。
それによると、定期健診をまめに受けている人の寿命は全く延びていないどころか短くなっている。そのうえ、定期健診で定期的に被曝してしまっている。英国の調査によると、日本は世界の主要国15カ国の中で最もCT検診回数が多い国だそうですよ。
そして、その調査ではさらに、日本人のがんが原因で死亡した人の3.2%は医療被曝が原因とされているんだ。定期的にお金をかけて健診を受けて殺されてしまうのは、何と日本人はお人よしなんだろうね。
日本は健康診断とか人間ドックとか、職場検診を強制しているけど、これはひどいよな。基本的人権の侵害、憲法違反だよ。この国に生まれた不幸だな。
川嶋 がん以外の病気についてどうですか。定期健診の効果はあるのでしょうか。
近藤 これも不要・有害。定期健診でいろいろ余計なことが見つかってしまう。例えば高血圧だとかね。それで本来は必要もない高血圧の薬を飲まされて、実は寿命を縮めている。
高血圧については、国の基準値があるでしょう。1998年に当時の厚生省が出していた基準は「上が160mmHg、下が95mmHg以上」でした。それがどういうわけか2000年に改定されて「上が140で下が90」に引き下げられたんだ。