いまから15年以上も前になるだろうか。作家の五木寛之さんにインタビューした際、「自分の体は他人に頼らず自分自身でメインテナンスするものだ」と言われたことが1つのきっかけとなって、定期健診というものを受けなくなった。会社に何度催促されても無視を決め込んだ。

がんだと診断されても安易に切るな!

今週のランキング
順位 タイトル
1 中国軍ミサイルの「第一波飽和攻撃」で日本は壊滅
2 中心市街地に再びにぎわいを!一度は閉店した百貨店がまさかの復活
3 中国が風邪を引けば、アジアが豊かになる
4 何に怯えている、丹羽宇一郎・前中国大使
5 民主党と日本未来の党の失敗から学ぶべきこと
6 アベノミクスで始まった「日本売り」
7 「日本には敵わない」と思えば隣国は攻めてこない
8 低福祉社会を選択した日本
9 アップルには「iPhone」の廉価モデルが必要?
10 日本経済:ケインズと鉄道と自動車
11 「戦争に備えよ」:中国メディアの論評を分析する
12 中国を滑稽に見せる検閲の愚
13 アジアへの恐怖がもたらしたロシアの膨張政策
14 セオリー通りに“報復”の対中ミサイル配備を
15 ただでは吹かない自動車業界の順風
16 アマゾンがまたもや奇策!
17 独り勝ちのVW、危機で市場支配が一段と加速
18 安倍新政権、胎動する経済再生と加速する脱中国
19 報道の自由には程遠い「南方周末」事件の顛末
20 地元住民が訴える健康被害の実態

 ただ、前の会社で編集長になったとき、できる秘書がついたためにスケジュールをことごとく管理され、東京都内で最も人気の人間ドックに予約を入れられて、仕方なく健診に行かざるを得なくなったことがあった。

 すでに40代の半ばにして、バリウムというものを飲んだのはこのときの1回だけである。

 神様の思し召しか、しばらくしてこの美人秘書が結婚。彼女の夫のニューヨーク転勤で会社を辞めてしまったので、人間ドックや定期健診から再び逃れることができるようになった。

 恐らく生まれながらに天邪鬼の性を両親から授かったのだろう。これが常識だと言われると間髪を入れずに反発したくなる。村社会の日本でははぐれ者だという認識は強い。

 でも、そんなはぐれ者にも温かい日本は何て素晴らしいのだろうともこの歳になってつくづく思う。いまの日本には問題が山積みだけれども、決して悪いことばかりではない。

 必ず解決策を提示してくれる人が現れる。明治維新も恐らく、清河八郎という人物がいなければ起こらなかったかもしれないではないか。

 さて、いまの日本の医学界で、清河八郎とは言わないが、孤軍奮闘、日本の未来のために戦っているお医者さんがいる。慶應義塾大学の近藤誠さんである。

 近藤誠さん、明治維新で言えば、新撰組の近藤勇を思い出す。名前は勇ではないが、新撰組の旗印は「誠」だった。何か運命的なものも感じるお名前である。

 近藤先生は日本のがん治療は根本的に間違っていると言う。まず、先進国では日本にしかない定期健診。こんなものは必要悪だときっぱり。健診技術の進歩でがんかもしれない部位を発見する能力は格段に上がった。

 でも、その大半は「がんもどき」であって正真正銘のがんではないという。でも、「がん」と認定できれば、医師は抗がん剤治療をはじめ様々な“お金になる治療”が施せる。その結果、日本では必要もない外科手術や抗がん剤治療が跋扈しているというのだ。

 この問題は恐らく、日本の原発村にも通じるところがある。メディアもそうだ。1000万部とか800万部などという新聞は日本以外に存在しない。とにかく、日本人は権威に弱い。

 詳しくは次のインタビュー記事をお読みいただきたいが、私たちの住む日本という国を本当に良くしたければ「お上」に頼ろうとする気持ちを私たち自身がリセットする必要がある。