占い師との関係を断ち切った瞬間

──占い師とついに関係を断ち切った瞬間について書かれています。あそこまで精神を支配されていながら、なぜ関係を切ることができたのでしょうか?

小阪:あるところで一気に関係が切れたというより、それ以前から、私の中ではずっと彼女と付き合うことに限界を感じていました。ただ、その気持ちを見て見ぬふりをしていたら、痙攣が起きるなど、次第に身体に異常をきたし始めたのです。だんだん足取りが重くなり、ついに会いに行くこともしんどくて動けなくなりました。

 もう離れる以外に選択肢がないというところまで心身ともに追い詰められ、そうした私の変化を姉さんも感じ取り、「小阪の最近の行いについて会議をする」と言って周りの人間を呼び出しました。呼び出された人たちも内心では姉さんがおかしいと分かっていて、「また始まっちゃった、どうしよう」という空気でした。

 その殺伐とした居心地の悪い空気を姉さん自身も感じて、「誰が悪いと思ってんだ!」とさらに怒りを増幅して当たり散らしました。最終的に激しい言い合いになり、彼女が激怒して私に殴りかかり、ついに関係が終わりました。DVを受けて目が覚めたカップルに近いかもしれません。

──不平等な関係の中で、ある人の態度がどんどん横暴になり、一緒にいることが辛くなることはしばしばありますが、家族や仕事の人間関係だと簡単には逃げられません。そうした状況や関係性に苦しんでいる人に、何を伝えたいですか?

小阪:おそらく、そこから抜け出した後で自分が孤独になってしまうと思っているのではないでしょうか。でも、孤独にはなりません。その関係が終わったら新しい関係が入ってくるからです。

 孤独になった瞬間に、むしろ孤独が自由であることに気づかされます。自由とは選択ができるということです。自分には選択する価値と権利があることに気づいてほしい。支配されている状態では選択を許されません。

 自由になった先の孤独が、冗談ではなく本当に羽であることを知ってほしいです。「何だったんだろう、あの時間は」というぐらい解放されて楽になります。

 私も支配されているときは、ここから逃げだしたら何されるかわからないと思いました。この本を書きながら、その恐怖がよみがえってくる瞬間もありました。でも、起こってもいないことを恐れて、そこに居続けることが一番良くないと思います。

 離れて一時は孤独を感じても、新しい仕事や生活を始めれば、また新しい人間関係ができます。困ったときも警察や弁護士など人を守る制度はたくさんあります。

 自分が正しいことをしていれば、周りは分かってくれています。離れてみると、「やっと気づいた」「待ってたよ」なんて言われたりもしました。