「愛子天皇」は実現するか
平成の天皇の退位を実現する特例法が成立した際、国会はその付帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」の検討を政府に求めました。さらに2021年には、皇室典範に関する政府の有識者会議が報告書を取りまとめ、①現在は女性皇族が結婚すると皇室から離脱するが、結婚後も皇族の身分を保持する、②旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える―という2案の検討を政府に要請したのです。
国会ではこの報告書をベースにして、2024年から衆参両院の正副議長、および各党の代表者による与野党協議が本格的に始まりました。その後、女性皇族の身分保持について「おおむね共通認識が得られた」とする中間報告を取りまとめたものの、2025年6月に自民党と立憲民主党が事実上決裂。協議は停滞していました。しかし、与党が圧勝した今年2月の衆院選挙の結果を受け、自民党と日本維新の会は、皇室典範の改正を急ぎたいとしています。
改正論議の最大の焦点は「女性天皇」です。
読売新聞が2025年秋に実施した世論調査によると、女性の天皇を認めることに「賛成」は69%に達しました。「どちらともいえない」(24%)、「反対」(7%)を大きく引き離しています。さらに、父方が天皇につながる「男系」の天皇だけでなく、母方が天皇につながる「女系」天皇も認めた方がよいかどうかの問いでは、「女系も認める方がよい」が64%。「男系を維持する方がよい」の13%を大幅に上回っています。
メディアでは、皇室典範改正が実現すれば、現在の天皇陛下と皇后陛下(雅子さま)の長女である敬宮愛子内親王(愛子さま、24歳)が次期天皇になるという議論も広がってきました。「愛子天皇」は果たして実現するのでしょうか。
フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。高田氏の近著に『調査報道の戦後史 1945-2025』(旬報社)がある。