ネットメディアの活用における自民と中道の差

 高市自民党によるネットの席捲を象徴するのが、高市首相のメッセージ動画「日本列島を、強く豊かに。」だ。選挙期間中に再生回数が急増し、視聴回数は2月20日現在で1億6000万回を超えている。

 小林啓倫氏がJBpress記事「【高市自民圧勝の禍根】SNSによって完全に破壊された公平な選挙制度、大雪と超短期決戦がSNS依存を極限まで」で指摘するように、伝統的な「三バン」、すなわち「地盤(後援会組織)」、「看板(知名度)」、「カバン(選挙資金)」に加えて、SNSという「四バン」目の要素が加わったといえる。

 2026年衆院選の特徴は、「この新しいメディア政治のゲームに戦後政治の中心的担い手である自民党が本格的に参入した点」(山腰修三)であり、今後、選挙の帰趨がショート動画によって決せられうるという新たな政治の条件が生じる可能性がある。

 他方、中道やリベラル派は、高市自民党と同じようにはネットを駆使できなかった。中道は、政策の魅力もさることながら、キャラクター性のある個人のファンダム物語を作れず、デジタル・マーケットの威力を活用する資金力やノウハウが乏しかった。

 それは有権者の世代別の支持率にも如実に表れている。日本経済新聞とテレビ東京による選挙後の世論調査によれば、自民党が男女、各世代ともにまんべんなく40%前後の支持を得ているのに対し、中道は60歳以上でも13%、18~39歳の現役世代ではわずか3%に留まっている。