2026年2月1日に実施された芝浦工業大学付属中の第1回入試風景(写真提供:首都圏模試センター)
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 2026年1月~2月にかけて首都圏の各地で行われた中学入試が、2月中旬でほぼ一段落した。少子化の波を突き返し、過去4番目の高水準となる5万2050名が受験したが、その熱狂の中身はかつての「偏差値至上主義」とは明らかに異質だ。「わが子を偏差値の物差しで測る時代」は、ついに終わったのか? 首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成氏が、現時点で判明しているデータから浮き彫りになった2026年入試の傾向を解き明かす。

私立・国立受験者数は5.2万人超、少子化でも“中学受験ブーム”が続くデータ的根拠

 はじめに、毎年の受験者規模を示す「私立・国立中学受験者数」(公立中高一貫校だけを受検した小学校6年生を除く)は、当社(首都圏模試センター)の調べと推定で、「52,050名(前年52,300名より250名減)」と算出しました。

 この推定値は、中学入試期間のピークであり、最も多くの受験生が挑む東京と神奈川の入試スタート日にあたる「2月1日(日)午前の実受験者数(志願者数ではなく、実際に当日受験した人数)」の総計を算出し、その前年比較をベースに、そのほか周辺エリアの受験状況などを考え合わせて当社が推定したものです。

 その結果、「2月1日(日)午前の実受験者数」は、前年より「約300名」減少していました。


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 今春2026年の私立・国立中学受験者数「52,050名」は、過去40年間を振り返ってみると、1回目のピークとなった1991年(バブル景気のピーク時)の「51,000名」、2回目のピークとなった2007年(リーマンショックの前年)の「50,500名」を上回っています。そして、過去最多となっている直近2023年の「52,600名」、2024年の「52,400名」、2025年の「52,300名」に続く、過去4番目の受験者数となりました。

 1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)を中心とした中学受験率は「18.06%」と、2024年の「18.12%」、2025年の「18.10%」に続く、過去3番目の高さを記録しました。

 受験者総数は前年より微減となりましたが、それでも、年々進む少子化による今年4月の小学校卒業生数の減少のもとで、これだけ多くの小学生が中学受験にチャレンジし、4年続きで「52,000名台」の受験規模が維持されたことは、小学生と保護者の変わらぬ高い中学受験熱を反映したものであることは明らかです。その意味では今年も“中学受験ブーム”が続いたと考えてよいでしょう。

 受験者総数はやや減少していたものの、すべての学校の志願者数を総計した「のべ志願者総数」は、前年より増加していて、受験生一人あたりの「平均出願校数」は、男子「8.00校(前年7.70校)」、女子「7.51校(前年7.22校)」、男女計で「7.76校(前年7.47校)」と、過去最多となっています。


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 この4年続きの中学受験ブームの背景には、「わが子が大学や大学院を卒業して社会に出る2037年以降の大きく変化した世の中で求められる力の変化」と、「わが子が中高を卒業する6年後にチャレンジする大学入試で求められる力の変化」を、小学生の保護者の世代がいまから意識していることがあります。新たに求められる力を育ててくれる私立中高一貫校の教育への期待が高まっているのです。

 今後の大学入試では、「英語4技能の力」が必須となり、探究学習や協働力などが問われることなどが、変化の象徴として挙げられるでしょう。