安全志向から一転、最難関校へ再びかじを切った「チャレンジ志向」の背景
次にエリア別の受験者数はどうなったのでしょうか?
まず、首都圏だけでなく全国で最も中学受験生が多く、受験率も高い東京都の実受験者数は、前年に続き今年も増加しました。
隣接する千葉県、埼玉県はほぼ横ばいでしたが、今年特に目立ったのは、神奈川県の受験生の減少でした。東京都の増加分を、神奈川県の減少分が相殺して、さらに全体の減少につながったという見方ができます。

個別の学校の人気傾向にも、エリアの受験者数の増減が反映されています。特に神奈川県の女子校の受験生数の減少などに、その傾向が顕著です。
難易度別に見てみると、この2~3年の安全志向からか、前年と比べて受験者(≒志願者)が減少傾向か、良くて前年並みにとどまっていた男子・女子の最難関校の多くの志願者が増加したのが、今年の人気動向のひとつです。
都内の男子校の最難関校では開成、武蔵などの志願者が増加し、昨年は最難関校の志願者が増加した神奈川県の男子校では、聖光学院、栄光学園の志願者が減少、昨年は人気が目立って増加した慶應義塾普通部も、前年の反動からか志願者の減少が目立っています。
東京と神奈川の女子校は、ともに最難関~準難関といえるプロテスタント系のミッションスクールが、今年は“サンデーショック”(2月1日が日曜日と重なったことによる2月2日への入試日移行)の影響から、事前の予想通り志願者数に変化が生じました。
東京都内では、桜蔭、鷗友学園女子①、吉祥女子①など2月1日入試の難関女子校の志願者増と、女子学院、東洋英和女学院①、立教女学院など2月1日から2日へ入試日を変更した難関女子校の志願者増が目立ちました。
神奈川県では、これまでの“サンデーショック”の年には、2月1日から2日に入試日を移行してきた最難関女子校のフェリス女学院が、この2026年は2月1日入試を変えなかったという従来と違った動きがありました。しかし、やはり東京都内と同様に、2月1日に入試を行ったフェリス女学院、横浜雙葉①、洗足学園①などは志願者が増加、2月2日に入試日を移した横浜共立学園Aの志願者は増加しました。
ここ数年は安全志向からか、微減か横ばい傾向にあった最難関校のいくつかの志願者が増加したこれらの人気動向からは、再びチャレンジ志向が強まった傾向が見て取れます。
2026年2月1日に実施された洗足学園中学の第1回入試風景(写真提供:首都圏模試センター)

