「青の時代」で知られるピカソ
“青の絵”をたどると、その歴史は青い顔料の発展と密接に関わっていることが分かる。しかし、顔料の選択肢が広がったゴッホの頃から、青は画家の魂の表現へと変わっていく。ゴッホ然り、そして、「青の時代」のパブロ・ピカソ然りだろう。
ピカソの青の時代とは、親友の画家カサジェマスの自殺に傷つき鬱状態になった若きピカソが、死や孤独、貧困、母娘、盲目などをテーマにひたすら青を基調とした絵を描き続けた時期(1901~04年頃)を指す。ピカソは04年にあの有名な『アビニョンの娘たち』のモデルを務めたオリヴィエと恋に落ち、以降は文字通りの「バラ色の時代」が訪れる。
青という色には活動的な赤との比較で死や孤独、貧困といったネガティブなイメージがある半面、前段で述べた冷静、誠実、平和の象徴的な意味合いもある。ロシアや中東で紛争が長期化し、自国第一主義勢力の再拡大で国際情勢や経済の先行き不透明感が増す今、“青い絵”と対峙する時間は自分の足元を見直す好機にもなりそうだ。




