女性の正社員比率は増えているのに、管理職比率が追いつかない理由

 正社員に占める女性比率の推移を確認してみると、以下のグラフのように徐々に上昇してはきています。しかしその度合いは年1%にも満たず、雇用者数に占める女性比率46.3%に到達するにはまだ長い時間が必要となりそうです。

 一方、男女共同参画白書令和7年版で提示されている役職ごとに占める女性比率の推移は以下の通りです。

民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合の推移(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)

 こちらも、正社員比率と同様に右肩上がりになっていますがまだまだです。また、別の観点から重要な疑問があります。

 正社員の女性比率が3割強ならば、男女とも同じように昇進すれば管理職の比率も3割強になるはずです。ところが、係長級でも3割には届いておらず、役職が上がるにつれてなぜか女性比率が低下し、男性比率は上がっていきます。

 さらに「賃金構造基本統計調査」を確認すると、同じ役職同士であっても賃金差が存在しています。決まって支給する現金給与額で比較すると、2024年では男性を100とした場合、係長級の女性は86.5、課長級だと88.2、部長級だと86.5。同じ役職であるにもかかわらず、女性の賃金は男性より1割以上も低いのです。

 女性の昇進比率が低いこととあわせて考えられるのは、同じポジションに就いていても、その中で女性の評価が低くなっている可能性です。ただし、統計からは性別によって意図的な差がつけられているかまでは判断できません。

 男女差別に対する問題意識が高まる中で、実態はともかく少なくとも表向きは、女性の評価を下げると公言する職場など存在しないでしょう。懸念されるのは無意識なケースも含めて、評価者の「見えざる手」が働いていることです。

「負担の重い仕事は女性には無理だ」「結婚したら仕事時間は制約される」「出産でいつ辞めるかわからない」……。評価する立場の人の中に、こうしたイメージが無意識に残っていると、女性はコアな役割から外されやすくなります。

 もちろん、負担の重い仕事を避けたいと考える女性はいるでしょうが、それは男性も同じです。女性であるというだけで意向すら確認されないとしたら、評価者の見えざる手によって、本人が知らないところで土俵に上がる機会自体が奪われてしまいかねません。