男子の注目は500m
チームパシュートは、髙木のほか平昌と北京でパシュートのメダリストとなった佐藤綾乃、そして初のオリンピック代表となった堀川桃香と野明花菜の4人が出場する。佐藤と堀川はチームゴールドで髙木のチームメイトでもあり、連携を磨いてきた。また野明はスピードに持ち味がある。4人全員を起用しながら勝ち抜いていくことになるだろう。
短距離に期待の若手がいる。吉田雪乃だ。500mと1000mに出場するが、得意とするのは500m。昨シーズンのワールドカップ第1戦で優勝し今シーズンは12月のワールドカップで優勝。世界の上位で戦う力をつけた。
今シーズン、世界記録を出したフェムケ・コク(オランダ)は強敵だが、12月の全日本選手権では小平奈緒の持つ日本記録を更新して優勝、ポテンシャルを示した。どこまで食らいついていけるか注目される。
一方の男子。期待がかかるのは500mだ。1998年長野で金、2002年ソルトレイクシティで銀メダルの清水宏保、2010年バンクーバーで銀メダルの長島圭一郎、銅メダルの加藤条治と、強みを示してきた種目である。
ソチ、平昌ではすべての種目を通じてメダルに届かなかったが、北京で3大会ぶりの男子メダル獲得となったのも500mで、森重航が会心の滑りを見せて銅メダルに輝いた。今大会でも森重は表彰台を狙える位置にいる。
新濱立也も注目の存在。2019年のワールドカップで、すぐに更新されたが世界新記録をマーク、国際大会で実績を残して迎えた北京だったが、スタート直後にバランスを崩した影響で20位、思いがけない成績で終えた。
その後ミラノ・コルティナへ向けて進んできたが昨春、石垣島での合宿中、自転車でロードでの練習をしているとき交通事故にあい重傷を負った。それでも復活し、代表入りを果たした。
2024年にはカーリングチーム「ロコ・ソラーレ」の吉田夕梨花と結婚。ロコ・ソラーレはオリンピック代表になれなかったが、その思いも背負い、北京のリベンジをかけて臨む。
500mは昨シーズンの世界距離別選手権金のジョニング・デブー(オランダ)をはじめライバルは多い。それにどう立ち向かうか、森重、新濱、そしてもう一人の代表、倉坪克拓の3名の滑りは楽しみなところだ。
男女ともに、日本の中心選手たちとオランダ勢をはじめ海外の有力選手とは拮抗した力関係にある。
その中でどう勝利をつかめるかも重要なポイントとなる。
*JBpressでの連載「フィギュアスケートを支える人々」(2024年8月30日公開までの一部)と、書き下ろしを含む電子書籍『日本のフィギュアスケート史 オリンピックを中心に辿る100年』(松原孝臣著/日本ビジネスプレス刊)が発売中です。
『日本のフィギュアスケート史 オリンピックを中心に辿る100年』著者:松原孝臣
出版社:日本ビジネスプレス(SYNCHRONOUS BOOKS)
定価:1650円(税込)
発売日:2026年1月20日
冬季オリンピックが開催されるたびに、日本でも花形競技の一つとして存在感を高めてきたフィギュアスケート。日本人が世界のトップで戦うのが当たり前になっている現在、そこに至るまでには、長い年月にわたる、多くの人々の努力があった——。
日本人がフィギュアスケート競技で初めて出場した1932年レークプラシッド大会から2022年北京大会までを振り返るとともに、選手たちを支えたプロフェッショナルへの取材を掲載。
プロフェッショナルだからこそ知るスケーターのエピソードに、高橋大輔さんの出場した3度のオリンピックについての特別インタビューも掲載されます。
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