静嘉堂と東博が分蔵する《十二神将立像》
「たたかう仏像」展示風景。重要文化財 《十二神将立像》 安貞2年(1228)頃
静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で開幕した「たたかう仏像」展では、鎌倉時代に制作された重要文化財《十二神将立像》が紹介されている。この《十二神将立像》はもともと京都・浄瑠璃寺の薬師如来坐像に随侍していたが流出。所蔵者を転々とし、現在は静嘉堂に7軀、東京国立博物館に5軀が分蔵されている。
静嘉堂と東博が所蔵する《十二神将立像》の特色は、十二支との強い関係性。神将の頭上に十二支獣の頭部が小さく表されていることに加え、神将の顔にも十二支の動物を連想させる表情が取り入れられている。たとえば、「子神像」。顔の中心に寄った目と鼻、鼻下にのびる髭はネズミのよう。「丑神像」の口元はウシのように見えるし、「卯神像」の口はなんとなくウサギを思わせる。
こうした十二支との結びつきは、当時の人々に親しみをもって迎えられたのではないか。昆羯羅大将と言われるよりも、子(ネズミ)の神様と言われたほうがピンとくる。
《十二神将立像》は造形も素晴らしい。軽快で躍動感あるフォルム、感情が強く出た表情など出来映えのよさにより、古くから運慶作である可能性が指摘されてきた。ただし近年の静嘉堂所蔵分の解体修理により、仏像の軀体内部から運慶没後の銘という“運慶作を否定しうる証拠”も見つかっており、今後のさらなる調査と解明が待たれている。《十二神将立像》が運慶作ではないにしても、運慶に近い技量をもつ優れた仏師の手によるものと考えて間違いないだろう。
「たたかう仏像」展での《十二神将立像》の展示期間は以下の通り。
「寅神像」「卯神像」「午神像」 展示期間:展示中~3/1
「子神像」「丑神像」 展示期間:2/10~3/22
「酉神像」「亥神像」 展示期間:展示中~2/8、3/3~3/22
「たたかう仏像」
会期:開催中~2026年3月22日(日)前期:〜2月8日(日) 後期:2月10日(火)〜3月22日(日) ※前後期で一部展示替えあり
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
開館時間:10:00~17:00 ※第4水曜日(2月25日)は〜20:00、3月20日(金・祝)、21日(土)は〜19:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし2月23日は開館)、2月1日(日・全館停電)、2月24日(火)
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.seikado.or.jp/


