日本銀行が政策金利を抑えても、より長期の金利が上昇

 対外収支黒字が減り、それに伴って円安圧力が生じれば、輸入物価が押し上げられ、国内物価に対しインフレ圧力が生じる。他方で、そもそも企業の設備投資増、政府の歳出増を考えているので、マクロ経済全体としての需給バランスは引き締まる方向にある。

 そうした状況にあっては、金利が上昇することで、マクロ経済全体がバランスする。それが、連立方程式の「解」ということだ。

 ここでもし、短期金利である政策金利の引き上げがインフレ圧力の高まりに遅れるようなことがあれば、自由に動くことができるより長期の金利が上昇して、その短期金利の上昇の遅れを穴埋めするだろう。

 マクロ経済全体にとっての金利は、決して政策金利だけではない。こうした動きも、すでに金融市場で先取り的に起こっているのかもしれない。

 さらに、成長率が高まるのであれば、実質金利もそれに見合って上昇するはずである。

 マクロ経済で形成される均衡値としての金利は、単に資金調達コストとしてあるだけではない。それは投下された資金に対するリターンでもある。より成長率が高まる経済において、長期と短期の双方を勘案した実質金利がマイナスという状態が均衡解であるとは考えられない。

 すでに2%を上回るインフレが3年半以上続いている現実を踏まえれば、ここで考えたような追加的なインフレ圧力を、今後、マクロ経済の中でどうバランスさせていくかがことさら問題になる。そして、より高い成長率を実現することとの整合性を考えれば、これらの諸経済変数の変化の帰結は1つに収斂する。

 実質金利の上昇だ。